Chap 01.『絶望学園殺人事件』その8

2021. 12. 31. 01:09TDR21V - 小説・Japanese novelized

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アンナは犯人ではない。
ツミギリでもない。
しかし、彼が言った動機が僕をちょっとした衝撃に落とした。

【イチノサキ セイカ】
愛するものを殺す..?

【ホシカゲ ユキムラ】
そんな…

【ツミギリ ツルギ】
噓に決まっているのではないか。

は?

【ツミギリ ツルギ】
われに愛するものなんてない。

【セキガハラ ミスズ】
え..?

その瞬間、僕はセキガハラが本気で絶望したことが見えた。
…今は何も言わないほうがいいだろう。

【シルシ クスリ】
では、これから私たちにできることは、ないってこと、ですか..?

【クロザワ ハコネ】
犯人を特定できる証拠は、全部消えたってこと…

【ナガサキ サクラ】
そんな!まだ方法はあるはずやろ!どこか、穴が!

【タカハシ ユウリ】
あるかもしれません。

【エドガワ ユカリ】
へえ、君も私と同じ考えなのかな。

犯人を捜せる方法?
まず、彼の話を聞いてみよう!


【カネダ ツジロウ】
犯人を絞れる方法?

【マモリ サアヤ】
それはいったいなんだ!教えてくれ!

【タカハシ ユウリ】
それは、イチノサキくんも知ってると思いますが、
私たち全員の動機を一回ずつ確認することです。


【イチノサキ セイカ】
その通りだと思う。
凶器も大体特定されたし、殺害の方法も分かったなら、
残ったものは”なぜ殺したか”しかない。
みんな、モノクマからもらった動機を見て議論したら答えが出ると思う。

【ナガサキ サクラ】
じゃ、じゃあさっさと見せようや!方法が、これしかねーやならば…

そう言っていたナガサキはなぜか気まずい顔をしていた。

【ホシカゲ ユキムラ】
どうしたんですか、ナガサキさん?

【ナガサキ サクラ】
ええと、その。実はうち、そのメモ、破っちゃったんやで。
内容も覚えてねーし。

【ミムラ コトコ】
なんでやねーん!

【ナガサキ サクラ】
あんたがいうんじゃねーや!

【クロザワ ハコネ】
とにかく、みんな持ってるよな。俺はあるぜ。

【ナガサキ サクラ】
ちょ、ちょっと⁈うちはせんでええの?

【マモリ サアヤ】
おめえはまずじっとしてろよ。

【エドガワ ユカリ】
とりあえず、持ってる人だけどりだそう。

それぞれが持っているメモを取り出し机に置き始めて、エドガワさんがそれを集めた。
その中には仕方ないと思う人も、いなくて泣き叫ぶ人もいた。

【エドガワ ユカリ】
よし、全部集めたから読むね。
一野崎正華、”記至薬は星影幸村がすきなんだって!”
桂木花蓮、”三村琴子は自分にコンプレックスを持っている。”

そうやってエドガワさんは一人一人の動機たちを読んでいった。
途中に何人かは自分の秘密が暴かれ恥ずかしがっているようにも見えた。
そして…

掛水頂上、”君だけが唯一の希望さ。”
罪切剣、”殺人をしなかったら、愛しているものを殺す。”

………
?なんだろう。

【イチノサキ セイカ】
どうしたの?

【エドガワ ユカリ】
えと、カン・アンナ、”お前らの中に黒幕がある。”
星影幸村、”一野崎正華は黒幕なのかもしれない。”

……は?

【カネダ ツジロウ】
どういうこっだ、それは。

【マモリ サアヤ】
んなわけねえだろ!
イチノサキが黒幕だって、そんなの…

【ミムラ コトコ】
黙って聞いてよ!
セイカちゃんこそ、もっとも心を痛んでるし、
誰よりもそう思ってるし、うちだってそう思ってるから、敢えて言わないでよ。

…二人にはあとでちゃんと礼を言わないといけないな。

そして、最後。

【エドガワ ユカリ】
これで最後だよ。
ダンケルク・マイト、”掛水頂上はみんなを殺そうとしている。”


動機が言われてからそこには、しばらくの静寂だけがあった。

【ダンケルク・マイト】
イチノサキさん、言いましたよね。
凶器も大体特定されたし、殺害の方法も分かったなら、
残ったものは”なぜ殺したか”しかないって。
おめでとうございます、大正解です。

そして、ダンケルクくんは言葉をつづけた。

【ダンケルク・マイト】
初めから言ってあげましょう。
同期のメモをもらった私は、内容を見た途端彼を疑い始めました。そうではいけないはずだったのにですね。
あの日の深夜時間、私は殺害の計画を立てました。そしてそれを実行した。
ちょっとした小競り合いがありましたが、カケミズくんを気絶させるのに成功したんです。
さっきイチノサキさんが当てて、クロだってばれたらどうすりゃいいかしたのですが、
アンナさんが話題を回して呉れて幸いでした。

【カン・アンナ】


彼女は自分のことを公開していた。なんで何の罪もないツミギリを犯人に追い詰めたか、と。

【ダンケルク・マイト】
倉庫でロープを使って彼の首を締めて窒息させました。
そんな中でも彼は必死にあがきましたが、一発殴って無理矢理気絶させたんです。
その時血を吐いて、結婚ができたんです。
とにかく完全に気絶させた彼を洗濯機に入れて起動しました。しかし、予想できなかった変数がありました。
カネダくんです。彼が来るのを見て、偽装のために急にコートを取り出し、乾かせるふりをしたんです。

【タカハシ ユウリ】
なぜ言わなかったのですか。

【カネダ ツジロウ】
言わなくて悪い。あんなことをしてたとは到底思えなかった。

【ダンケルク・マイト】
殺人が終わった際、死体は血まみれでした。トイレットペーパーもなかったし、タオルを使おうとしたら痕跡が残ってて、まずは洗濯室から最も近くて、すぐにはいれるカケミズくんの個室に入って、死体の血を洗い流し、タオルで水気を消したんです。

【エドガワ ユカリ】


【ダンケルク・マイト】
そしてはコートを着せて、自殺したように見えるため、体育館まで行って首にロープを掛けました。
これがすべてです。本当、笑いもしませんね。
あんな噓に騙されては人を殺すなんて。

【クロザワ ハコネ】
それにもかかわらずお前さんはここから抜け出すための計画を立てたんだな。
トリックを設置したことから分かれる。お前さんは噓に騙されたのではなく、自分に騙され、ここから抜け出すために殺したんだ。

【ダンケルク・マイト】
もうしわけありません。

【カネダ ツジロウ】
…投票しようぜ、早く。
帰ってカップラーメン食いてえ。

学級裁判、閉幕

Case 01

「大正解~!最初の学級裁判のクロは、超高校級のバスケ選手のダンケルク・マイトくんでした!みんな生き残ったのおめでとうくま~」
モノクマはすっきりした顔でしゃべった。
「皆さんにも、もうしわけありません。特にカネダくんには。」
「…いいや。別に。」
カネダは努めて平然を装っていた。この数日だったが、友人たちが互いを殺し、殺されたから驚くのも無理ではない。
「帰って一緒にバスケやろうって約束、うそだったかとは言わねえ。」
カネダとダンケルクくん、カケミズくんの3人はこの学園に来てはすぐ一緒に遊んだものだった。体育館でも三人で一緒にバスケを遊んでいた。特に固い友情だったから、その死が受け入れつらかったのだろう。
「じゃあ、そろそろお仕置きしていいのかな?僕、そろそろ眠りに行きたいんだけど~」
「その前、一つ聞いていいのですか、モノクマ。」
「別にいいよ?なんでも~」
「私がもらった動機は、噓だったのですか。」



「言いたいことはそれだけなの?」
「は?」
「じゃ、質問終わったから始まるよ~今回の裁判のため、ダンケルクくんのための超・スペシャルなお仕置きを用意しました!」
「答えろ!このくそクマ…」
「では、張り切っていきましょう~!お仕置きタイムー!」
「モノクマァァアアアアアアアアアアアアア!!!」

*動画が描けなくて文字で代替します。
処刑:<333点爆発フリースロー>
超高校級のバスケ選手
ダンケルク ∙ マイト処刑式

ダンケルクはバスケット台ほどの高さの棒の上に縛られており、遠くに筋肉質のモノクマがある。
モノクマは縛られていたダンケルクにボールを一つ一つ投げる。
もがいてボールをやっとのことで避けるダンケルクだが、時間が経つと少しずつ打たれていく。
ますます速くより多くボールを投げる筋肉質モノクマ。 バスケットの球をすべて投げ終わったら、隣にいた巨大な爆弾をダンケルクに投げる。
あまりにも大きいので避けられないと思ったダンケルクは目をぎゅっと閉じて。 爆弾が彼の目の前まで飛んできた時に爆弾は爆発する.
爆発した席には何もなかった。


こくして、初学級裁判の処刑式は幕を下ろした。
「お~結構エモかったね!モノクマの処刑は特別だからね、当然だよ!」
「…」
カネダは何も言わず真っ先に、裁判場の外へ出て行った。
ほかの生徒たちも、モノクマも、一人一人裁判上を出てい行った。残ったのは僕とミムラ、マモリ、ホシカゲ、シルシだけだった。
「あの、イチノサキくん。一つお伺いしたいことがありますわ。」
「…なんだ。」
僕に質問を一つ、ホシカゲはした。
「あなたは、本当に黒幕なのですか。」
んなわけない、って。言おうとしたその瞬間。
「絶対なしに決まってんだろ!!!」
ミムラがホシカゲの胸ぐらをつかんで叫んだ。さっきと違って大きく起こりながら。
「噓に決まってんじゃない!セイカちゃんが、そんな…そんなことするはずがない!だって、だってこんなに、私たちが学級裁判を終わらせるように頑張ってくれたんだよ..?なのに疑ってるっていうの⁈」
「疑うしかないじゃないですか。イチノサキくんが黒幕ではないって証拠もまた、どこにもありませんもの。」
「あんた、言葉はかき分けながら言いなさいよ!本人の前でそんな風に非難しないでよ!」
「だったらそうしろっていうのですか?このメモの通り、イチノサキくんは本物の黒幕だったら…」
「二人ともやめて!」
うっかり大声を出してしまった。
ミムラの本音に今感じられた。感情が沸き上がり、思わず涙を流した。
「二人ともやめてくれよ…どうか、やめてよ…僕のせいで、こんな。こんなにケンカしちゃちゃいけないのに…」
「イチノサキ…」
「ごめんっ、ちょっと…一人にさせて。」
僕は涙を流しながら慌てて裁判場を出て行った。
後ろからマモリとミムラの声が聞こえたが、気にせずただ走った。

外は暗かった。四月なのに冷たい空気が肌に触れていた。
個室に戻りベッドに座って、ただただ思った。
もしかしたら、僕は本当に黒幕なのだろうか。みんなを殺すためにこの学校に来たのか、と。
「セイカちゃん…」
ミムラが個室のドアから顔を見せた。
何も言わずにいたら彼女は静かに入り、僕の横に座った。
「大丈夫だよ。」
ゆっくりと僕を抱き、背中を軽く叩いてくれた。なぜか、すごくホッとする気分だった。
「大丈夫だよ、きっと。セイカちゃんは黒幕なんかじゃないよ。大丈夫…」
そう言う彼女の懐の中で、僕は静かに眠り落ちた。

Chap 01.『絶望学園殺人事件』

END.

生存人数
14/16