2021. 12. 27. 07:27ㆍTDR21V - 小説・Japanese novelized
どうやらそれぞれの個室には自分たちの才能を磨くための道具や機材があるようだ。その証拠として僕の部屋にはミクサーやパソコン、マイクなどがある。これらを使って一日中遊んだとしてもモノクマは別にかかわらないだろう。とはいえ、こんな形でも一様僕もこの学園の生徒。動機たちと親しくなるのが今は一人でいるよりましだと考えた。
誰かと一緒に時間を過ごし、同時に脱出の手掛かりを探そうと思って、個室を出て人を探す。
誰でもいいが、今はできるだけ自分とあまり接点がない人が良いと思う。
「…そのせいで、私を探してたわけ?」
「うん。体育館を調査したいけど、よかったら一緒に行ってくれないか?あとで売店で何かおごってあげるから。」
「いいよ、別に対価なんて求めてないから。お昼時間までは手伝ってあげるよ。調査終わったら、互いに見つけたものを見せ合って、解散するの。わかった?」
「おう、ありがとう。」
一番目に探したのはアンナさんだった。超高校級の分析力の才能を持った彼女となら収穫があると思った。それに互いの間に接点もないし。
「でもよ、ホントに私なんかでいいの?マモリとか、ミムラもいるじゃん。」
「二人にはちょっと済まないけど、探索に二人は向いてないから。それに体育館には重たいものもないしさ、それにアンナさんの才能は最も探索に向いてるし。」
「そんな理由で私を選んだの?だったらしゃーないけど。さぁ、とことん始めよう。時間がない。」
二人で体育館を調査してから約2時間。午前11時半を過ぎて行っているのに何の手掛かりすらも見つけなかった。モノクマが初めて出てきた舞台の裏も、放送室も、物品保管室も。
「あのさ、イチノサキ。隅々調べてもなんも出なかったし、この辺で調査はやめて雑談でもどう?」
「いいよ。こっちもなんも出なかったし。」
調査することをあきらめ、アンナさんと適当にベンチに座る。話でもしようとは言ったが、どっちも適当な話題が思い出せない。
「あのさ、あんたって、作曲家なんだよね。好きな音楽とか歌手とか、あるの?」
「昔には随分憧れた歌手がいたんだけど、今はない。その歌手も今はもう、好きじゃなくなったの。」
「そうなんだ。…私さ、舞薗さやか(マイゾノ サヤカ)の歌、好きだったんだ。子供のころはいつも彼女の歌を聞いて、楽しんでた。彼女が、舞薗があの希望ヶ峰学園で殺されたことを知った直前までは。」
舞薗さやか。かつて希望ヶ峰学園の78期生だった”超高校級のアイドル”。エノシマが行った殺人ゲームで殺された犠牲者たちの一人だ。
「今も私は、あの希望ヶ峰学園を、未来機関のことを許せない。絶望と戦えた戦力を持っていたのに、一人の女の子さえ救えなかったということが許せない。」
「その時は、絶望の残党の邪魔が入ったせいだろ。あの時の希望ヶ峰学園の外では、絶望と未来機関の銃撃戦があって、それで機関の部隊がほぼ全滅してしまったたらしいから。」
「もちろんそれは知ってる。といってもそれは、あいつらが全力で彼女たちを助けようとしなかったという反証なんじゃないの。本当にあいつらが全力を尽くしたら、救えたかもしれないじゃないか。」
「それは…」
彼女の言葉にこたえようとしたとき、正午を知らせるチャイムが鳴った。
アンナさんは即時、ベンチから立ち、怪異区間を出ようとした。
「…約束した時間は満たした。じゃあまた。」
「…今の話の続き、出来たらまたしよう。」
「あんたが話しかけてくれるならな。」
昼は特別なことはなかった。ただマモリくんと昼飯を食べ、雑談した。
「アンナと一緒にいたようだったけどよ、もしかして誘って何かやったか?」
「ち、ちげえよ。僕がそんな奴にでも見えるのか?ただ、一緒に調査しただけだし。」
「あはは、そっか。…もしかしたら、なんだけど。俺がここの誰かを殺したら、そうして学級裁判でクロに確定されたら、おめえはなんていうんだい。」
「僕?うーん、そうだな。…そんなことは考えたことがないからさ。ていうか、マモリくんって誰かを殺すわけないしさ。」
「お?いいこと言うじゃんかよ、お前!」
結構平然と、僕らは話した。一緒に飯を食べ、調査し、話、歩き回る。そうやって二日が過ぎていった。脱出の手掛かりは見つからなかったが、僕たちは互いの絆を見つけることができた。そしてその時、災いが踏み込んできた。
[あ~あ、マイクテスト、おまえら、今すぐ体育たんに集合してください、大事なお知らせがあります!]
月島学園に閉じこまれて、三日目、正午だった。
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